不動産を売却するとき、売主は買主に対して契約不適合責任を負います。
そのため物件に何らかの問題が発覚すると、買主から損害賠償を求められるケースがあります。
そんなときに活用したいのが、瑕疵担保保険です。
そこで瑕疵担保保険とはどのようなものなのか、確認していきましょう。
不動産売却における瑕疵担保保険とは
瑕疵担保保険とは、中古住宅を売却するときに加入できる保険です。
不動産売却後、建物の構造耐力上の主要部分や雨水の侵入を防止する部分に瑕疵が発見されると、補修費用などが支払われます。
主な対象箇所は、以下のとおりです。
一戸建ての場合
●小屋組、屋根版、斜材、壁、横架材、柱、床版、土台、基礎(構造耐力上主要部分)
●屋根、開口部、外壁(雨水の侵入を防止する部分)
共同住宅の場合
●屋根版、床版、外壁、壁、床版、基礎、基礎ぐい(構造耐力上主要部分)
●屋根、排水管、開口部、外壁(雨水の侵入を防止する部分)
瑕疵担保保険のメリット
瑕疵担保保険に加入できるのは、インスペクションに合格した建物です。
インスペクションとは、住宅の劣化や欠陥を調査するだけでなく、修繕に関するアドバイスも行われる制度です。
そのため購入希望者に対し、プロが検査済みで安心できる品質の建物であるとアピールできます。
そして買主にとっては、瑕疵担保保険に加入していると税制優遇制度を受けられる場合があります。
そのため売主・買主のどちらが保険料を負担しても、双方にメリットのある仕組みです。
不動産売却における瑕疵担保保険の保証額
不動産を売却する時に便利な瑕疵担保保険は、商品によって保証額と保証期間が異なります。
一般的な商品タイプは以下のとおりです。
●保証額200万円(1年、2年)
●保証額500万円(1年、2年)
●保証額1,000万円(1年、2年、5年)
また保険料は建物の規模や保証内容によって異なります。
一戸建てにおける相場は以下のとおりです。
●500万円(2年):2.6万円から2.8万円
●1,000万円(2年):2.8万円から3万円
●1,000万円(5年):4.9万円から5.5万円
マンションの場合は、一戸建てと比較して1万円から2万円程度低く設定されています。